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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第1章  2歳児に惚れた男?

「……け、けいさちゅ、行くの?」

思いっきり顎を上げて海老反りし、自分を抱っこする男に確かめれば。

「え? な~に~?」

旋回音に負けぬよう、大声で問うてくる龍一郎。

「け、けいさちゅ! 行くんでしゅか?」

「はい? もっと、おっきな声で言ってっ!」

ココの舌っ足らずな言葉は、騒音の中では中々聞き取りにくいらしい。

「~~~っ だからっ け・い・さ・ちゅ! 行くの!?」

2歳児に腹筋など無いだろうが、それでも腹に力を込めて叫べば、

「警察? あ~、それよりもっと安全な所で、匿ってやるよ」

やっと返って来たのは、結局 良く解からない返事だった。

「………………」

(警察より安全な場所って……どこやねん……)

そう突っ込みながら顎を下ろし、大人しく龍一郎の太ももの上に座っていると。

しばらくしてヘリは目的地に到着した。







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