この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第1章 2歳児に惚れた男?
「……け、けいさちゅ、行くの?」
思いっきり顎を上げて海老反りし、自分を抱っこする男に確かめれば。
「え? な~に~?」
旋回音に負けぬよう、大声で問うてくる龍一郎。
「け、けいさちゅ! 行くんでしゅか?」
「はい? もっと、おっきな声で言ってっ!」
ココの舌っ足らずな言葉は、騒音の中では中々聞き取りにくいらしい。
「~~~っ だからっ け・い・さ・ちゅ! 行くの!?」
2歳児に腹筋など無いだろうが、それでも腹に力を込めて叫べば、
「警察? あ~、それよりもっと安全な所で、匿ってやるよ」
やっと返って来たのは、結局 良く解からない返事だった。
「………………」
(警察より安全な場所って……どこやねん……)
そう突っ込みながら顎を下ろし、大人しく龍一郎の太ももの上に座っていると。
しばらくしてヘリは目的地に到着した。