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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第2章 3歳児の憂鬱
――というか。
ココは龍一郎の事を、てっきり “学校の夏休みを別荘で過ごしてるボンボン” と思い込んでいたが。
冷静になってみれば、あやつの両親や祖父母は何処にいるのだ?
こんな何処の馬の骨とも判らん幼女を「嫁にする!」などという主張は、富豪ならば絶対に許さないと思うのだが?
山田「ああ……。それならば、とうの昔に勘当されましたよ」
ココ「……やっぱち……?」
(あんなに変態なんだもん。可哀想に、両親・親族にも見限られて……)
やや同情心が芽生えたココだったが。
山田「龍一郎様は幼少のみぎりより、その非凡さを誉めそやされ。それに目を付けた親族方に、良い様に利用されていました」
ココ「へ……?」
山田「ですので、大学を卒業された際 “親族の大多数を勘当” なされたのです」
養父の簡潔な説明を聞いた途端、ココは何故か無言のまま スタスタと窓辺に寄り。
短い両腕で窓ガラスを押し上げると、その先に広がる鬱蒼とした森に声の限りに叫んだのだった。
「~~っ こ、子供から(勘当したん)かぁ~~っ!?」