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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第2章  3歳児の憂鬱

そそくさと ぬこの風上に立ったココ。

隠し持っていた木の実を、小さな手の上に乗せてみれば、

漂い始めた独特の香りに すぐに鼻をひくつかせ、こちらをガン見してきた 件のホワイトソックス野郎。

「欲しいでしょ~~? なでなで させてくれるなら、これ、あげましゅよ?」

ひたりひたりと、少しずつ ぬこへ近寄るも、その距離が1mを切った途端、

「ウンガっ ウギャァアアアア~~っ!!!!」

この世の終わりを見たかのような叫び声を上げる ぬこに、とうとうココの堪忍袋の緒もブチ切れた。

「てんめぇ……っ “ぬこ鍋” にするど、ごるらぁ~~っっ (ↀωↀ)キシャ~っ!!!」

甲高い声で精一杯ドスを利かせて威嚇する3歳児。

そして、その小さな後姿を物陰から見守っていた山田は、

「……どんな “3歳児” ですか」

そう ぼそりと突っ込むと、己の仕事へと戻って行ったのだった。



ココと ぬこの攻防戦は、結局1ヶ月も続いた。

いく日もいく日も糞猫を追い掛け回し、小さな手には生傷だらけ。

今日の “ぬこへプレゼント” であった、猫のぬいぐるみを握り締めたココの衣服は、

猫の後を追い あちこちに潜り込んだ為に、若干 薄汚れていた。

欠伸を噛み殺しながら、毛繕いをする余裕な相手に、

「きょ……今日は、これくらいにしといたるわ(震) by 池乃めだか」

決め台詞を吐き捨てたココは、小さな肩を落とし。

すごすごと自分の部屋へ戻って行くのであった。






∧,,∧
(゚ー゚*) ぬ~こぬこ
cuuc,,)~ 




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