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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第3章  4歳児とプー太郎(もどき)

『ゴシュジンサマ オハヨウゴザイマス。ホンジツモ ギンガケイニヒッテキスル イケメンデスネ!』

「おはよ~、OAY3号。今日も宜しく頼むよ~」

主を認識し、素晴らしい朝の挨拶を寄越す人工知能――OAYに声を掛ける。

ちなみにOAYとは “俺様 頭 良過ぎ” の頭文字ということは、本人しか知らない。

ブルーライトで滅菌済のゴーグルを装着し。

気分を盛り上げるため「Angel Of Death」とOAYに告げれば、数秒後。

大音量で響き始めたのは、賑やかにも程があるヘヴィメタル。

「「Ahhhhhhhhhh~~っ ウゴォオオオオオっっ!!!!」」

ボーカルに合わせ雄叫びを上げつつ、医療用ゴム手袋を装着し。

マイクロピペットを指先でくるりと回した龍一郎は、さっそく本日の作業に取り掛かる。


「Auschwitz, the meaning of pain
 ―アウシュヴィッツ それは苦痛の意

 The way that I want you to die
 ―俺が望む 貴様の死にざまだ

 Slow death, immense decay
 ―忍び寄る終焉 おびただしい腐敗

 Showers that cleanse you of your life
 ―シャワーが貴様の人生を流し去る

 Forced in Like cattle
 ―家畜のようにブチ込まれ

 You run Stripped of Your life's worth
 ―逃げれば生きる価値を剥ぎ取られ

 Human mice, for the Angel of Death
 ―ネズミと化した人間ども 死の天使に導かれ

 Four hundred thousand more to die
 ―40万人が死へと旅立つ」


ひょろ長い両腕で サクサク実験を進めつつ、


「「Angel of Death
  ―死の天使

  Monarch to the kingdom of the dead
  ―死者の王国に 栄光アレ!」」


上記のサビ(?)を、ボーカルに合わせがなり立てる。

ちなみに ヘヴィメタ = ヘッドバンキング だろうが、流石に実験中はしない。

手元が狂うし 終えた後、脳味噌がぼ~~とするからだ。

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