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春うらら
第13章 それぞれの週末~誠~

「本当は転院先も知っていたんです。せんぱいのご両親が教えてくれて、でも会いに行けなかった。
はじめの病院で面会した時のせんぱいが人形のようで・・・座っているだけで、とても生きているようには見えなかった。

話しかけても目は私を見ていないし・・・
何度か会いに行ったけど、誰がいてもせんぱいの目には何も映ってなくて、せんぱいがせんぱいじゃなくなってしまったようで怖くてそれ以来病院にも行けず。

でも、でも・・・今日こうして会えたから!せんぱいが生きていてくれたからそれで全部いいです。これからはまた会いましょうね。」

なんとも想像もしてなかった展開に驚いた。

「すみません、誠さん・・・気にしないで下さい。もう傷も治ってますから。

千景はとってもいい子なので二人が付き合うのは賛成ですよ。」とほほ笑む。

「もう、せんぱい、野村さんとはコンパで会っただけですから。絶対ありません!私はせんぱいが好きですから。」と彼女の腕に絡みつく。
「相変わらず、男の子と恋愛しないの?私の恋愛対象は男性だからちぃの気持ちには答えられないのよ(苦笑)」
「いいもん、今はまだ、せんぱいに彼氏が出来たらそれから考えます。」

千景は『そっち系』?なのか?・・・
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