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春うらら
第13章 それぞれの週末~誠~
「くすくす、なんだか二人を見ていると楽しい。本当に二人が付き合えばいいのに。」
なんて彼女に言われてしまった・・・ちょっと千景を睨もうと目線を向けると既に倍の勢いで睨まれていた・・・そんな俺達を見ながら彼女も楽しそうに笑っていたから、まぁいいか・・・
「『好きな人』かぁ・・・それが一番わからないんだよね・・・」
そういえば前に学校でもそんな話をしてたなぁ・・・
彼氏よりも友達が大切・・・って
「せんぱい『ずっとこの人といたい』とか『一緒にいると安心』とか、思う人いないんですか?たとえば友達でもいいじゃないですか?」
「そうねぇ・・・一緒にいて安心・・・まぁ何人かいるかなぁ・・・」
まじ?誰だろう?聞きたい、けど聞けない・・・
「じゃぁその人と付き合ってみたらいいじゃないですか?まず付き合ってみたらどんなものか本当の気持ちがわかるんじゃないですか?『やっぱり友達だった』って思うかもしれないし」
「えー、それで『友達』に戻れなかったらどうするの?男性は意外とそういうの嫌がるって言うでしょう?ねぇ?誠さんはセックスした相手と友達に戻れます?」
「・・・・・」
「もう、せんぱい野村さんフリーズしてますよ。」
とケラケラと笑いながら話す。びっくりだ。
何も知らない『お嬢様』みたいな雰囲気だと思っていた。
でも、よく考えたら落ち着いたしゃべり方や所作の美しさはお嬢様の様だが別に彼女は気取るわけでもないし、服装だってセクシーにしたかと思えばストリート系のようなラフな格好もする。俺は彼女を『何』と思っていたんだろう?
彼女はいったいどういうタイプなんだろう?