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春うらら
第14章 それぞれの週末~郡司~
「そういえば将さんってどうしてるの?麗の話にも出てこないし・・・今どこにいるの?」
一瞬にして、空気が凍りついた。なんだ?聞いたらまずかったか?

沈黙が続く・・・


ポツリと雅が話だす・・・

「そっかぁ、お前は知らないんだよなぁ・・・あの事件の時、今の大学に入ったばっかりだもんな・・・俺もだけど・・・俺はあの後しばらく家に帰ったからさ・・・」

あの事件・・・そうだ、俺は離れていたせいで『あの事件』の詳細を知らない。それにあの将さんが絡んでいるのか?

将さんは女将の旅館で働く板前さんの息子で旅館の板前見習いとして働いていた。とても硬派で仲居さん達の中でもかなりの人気だった。忙しい女将に代わって俺達の学校の送り迎えもしてくれて、麗のスイミングスクールの送迎は大抵、将さんだった。麗が一番なついていた。そんな将さんの話が麗から一度も出てこない事を不思議に思っていた。
でも、俺としても若干の嫉妬心もあり将さんの話はしなかった。
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