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春うらら
第15章 それぞれの週末~ルイ~
「うん、カリンちゃんのお願いなら聞かないといけないね。」
とカリンちゃんの目線までしゃがんで言うと、ぱぁっと笑顔を見せる。
どうぞ、と部屋に通す。
「何か飲む?」と二人に聞くとドアの向こうに母親が飲み物とケーキを持って立っていた。
「ははは、さっき叔母さんに会って先に飲み物お願いしてから来たんだ。」
「ゆっくりしていってね。」と母親はトレーをテーブルに置くと笑顔で出て行った。
テーブルを囲んで三人で座る。カリンちゃんの前にケーキとミルクティーを並べる。
俺と武志さんはコーヒーを手にしながらカリンちゃんの方を見る。
「おいしい?」
とケーキを食べるカリンちゃんに尋ねるとケーキを食べながら満面の笑みで頷く。
「麗の天使ちゃん」
俺の呟きに武志さんとカリンちゃんが不思議な顔をする。
「ああ、彼女、レイちゃんの名前。麗(うらら)っていうんだよ。宮内麗さん。」
「へぇ~、そうなんだ。それで『レイ』なのか・・・」
「なんで?」とカリンちゃんが武志さんのほうを向く
「うららって漢字はレイって読むんだよ。」
へぇ~なんて言いながらケーキに意識を戻し美味しそうに食べる。