この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
春うらら
第16章 それぞれの週末~武志・カリン~
残された男3人。一番に口を開いたのは麗ちゃんの兄。
「実はお願いもあり、今日は立ち寄らせていただきました。」
なんだか、改まった感じにこちらの背筋も知らずピンと伸びる。
「8月の終わりに麗の快気祝いをするのですが、是非カリンさんに参加して頂きたいと、私達家族全員が望んでおりますが、開催場所的に宿泊が絡みます。宜しければお父様もご一緒に参加して頂ければありがたいのですが・・・お時間をいただければその他の手配はすべてこちらでさせて頂きます。」
「はぁ・・・私たちのような他人が伺って良い会ですか?宿泊付の快気祝いだなんて・・・」
麗ちゃんのカリンへの気持ちから考えると、招待は望まれているように感じるが、ただ宿泊付となるとかなり大げさな快気祝いに感じる。そんなところへ俺たちが行ってもいいのだろうか?戸惑いを隠せないでいると
「心配なさらないで下さい。極々身内で行う会です。宿泊付というのも会場が少し遠く、不便な場所にあるからです。」
「そうですか・・・でしたら、お言葉に甘えて、カリンもきっと喜ぶと思います。日時や詳細が分かりましたら仕事の都合を付けますのでご連絡いただきたいのですが・・・遠いといわれた会場はどちらですか?」
お兄さんはその返事に安堵の笑みを見せた。