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春うらら
第16章 それぞれの週末~武志・カリン~
「・・・お兄ちゃんが言いました?
まぁ、騙すつもりはなかったんですけど・・・それ言っちゃうと、みんな私より『静香』と仲良くなりたがるので・・・」
と少し残念そうに眉を寄せる・・・
そうか、そりゃそうだ。しかも若女将になるのまで決まっているならそういうしがらみの友達も増えるだろう。
「ふーん、でも俺や武志さんはきっと気にしないよ。俺らだって同じ・・・『片山の孫』って近づく人の方が多いよ。だから麗ちゃんの気持ちわかる気がする。」
「まぁね、ルイと友晴は苗字からすぐわかるしね。俺はカリンもいるし、苗字が違うから割と苦労してないけどね。」
「そっかぁ・・・同じ思いの人がいてちょっと心強いです。」
「ねぇ?お姉ちゃん、お庭で遊ばない?今ね、縄跳びの練習をしてるの・・・お姉ちゃん数えて?」「了解!行こう」と2人で庭に出て行った。
庭から「いち・に・さん・・・」と縄跳びを数える声とカリンの頑張っている元気な声が聞こえる。本当に楽しそうだ。