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春うらら
第16章 それぞれの週末~武志・カリン~

「特別って・・・わからないです。ただ、ルイさんと過ごす時間がなくなるのは嫌です。毎週水曜日の時間が好きです。何も話さなくても一緒にいる安心感が好きです。それが『特別』ですか?」
彼女の言葉はうれしかった。でもきっと水曜日以外にもなくしたくない時間があるのかもしれない、彼女の中の優先順位は友人だと以前から聞いているし・・・

「麗ちゃん、俺に抱きしめられたり、キスされるの嫌?」

真っ赤になりながら上目使いでちらりとこちらを見ると消えそうな声で「い、嫌じゃ・・ないです。」と言った。
「ゆっくりでいいから考えてね。俺も水曜日のあの時間はとっても楽しみなんだ。」
今度はしっかりとこちらを見てはっきりと頷く。

「あ、あの。お兄ちゃんに電話・・・服を・・・」
そうだった・・・抱きしめていた腕をほどいて、
「帰りまでの服、俺のでよければ持ってくるよ。待っててくれる?」
「あ、ありがとうございます。待っています。」と笑顔で答えた。
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