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春うらら
第16章 それぞれの週末~武志・カリン~
・・・・・・やってしまった・・・・・下から見上げた麗ちゃんを見た瞬間、理性なんてなくなっていた。カリンちゃんがいなかったら今頃どうなっていただろう・・・
必死に平静を装っているけど、この沈黙・・・ドクドクと強く打ちつける鼓動が聞こえてしまいそうだ・・・
「あ、あの・・・えっと・・・私、着替えを・・・電話で、ええっと兄に・・・」
明らかに動揺している麗ちゃん、覗き込むと真っ赤な顔をして・・・俺も顔赤いよなぁ・・・きっと。恥ずかしさをごまかすようにもう一度彼女を抱き寄せる。
ビクッとして麗ちゃんの体が緊張で固まったことに気付きながらも、離せない。そのままゆっくりと彼女の顔を自分の胸に引き寄せて、深呼吸。
「麗ちゃん、ごめんね?嫌だった?」
何も答えない・・・
「本当にごめん。でも聞いて?俺、本当に麗ちゃんの事が好きなんだ。誰にも渡したくない。この気持ちは迷惑?」
少し間が空いたが、確実に首を横に振る・・・
「じゃあ、俺との事、真剣に考えて?
今日カリンちゃんと一緒に笑っている麗ちゃんを見て、さらに惚れた。麗ちゃんの彼氏に、特別になりたい。」