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春うらら
第17章 麗の過去 中学時代
「今後、君たちが大人になっていくにつれて、今まで以上に『静香』や家業の事がまるで当然のように付き纏うと思う。
たくさんの方々のおかげで私たちの家業も順調に来ている。びっくりするほどのお金持ちではないし家族と過ごす時間をかなり犠牲にしているのも確かだからお前たちが手放しで家業を迎えているかはわからなかったが、さっきの麗や雅の言葉で少し自信が持てたように思う。
さて、ここから本題。
今、慶に見合いの話が来ている。もちろん雅、麗、君たち二人にも見合い話が来ています。これが世間から見た我が家、家業への評価です。わかりますか?」
言ってじっくりと父が俺と麗を見つめる。
「政略結婚?」麗がつぶやいた・・・ま、まさか?いつの時代だよ。と思って父を見ると苦笑い。だよなぁ・・・
「まぁ、意図はわかりませんが。君たち兄弟を1人の人としてみるより宮内の家とのつながりで見る人が多くいるという事です。これから君たちも誰かとおつきあいしたりすると思いますが、お付き合いをはじめたら家族の日に連れてきますよね?
でもお付き合いするかどうかまだ悩んでいる場合『好きだ』と言ってくれているが、本当に個人を好きと言ってくれているのか?を見極めなければいけません。
それがわからない時どうするか?
・・・そう、家族の日に連れてくる。という事です。」
つまり、兄貴は相手の本心がわからないから連れてくる・・・という事か。