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春うらら
第18章 18 麗の過去 高校時代
みんな静まり返ってしまった・・・その時ちょうど中庭の東屋の向こうを麗と池田君が仲良く並んで歩いているのが見えた。
2人の間の距離がぎこちなくて初々しかった。池田君の手に麗のランチタイム用のバックがあった、いつも大きめのバック、いつもは弁当以外の物を一緒に入れているけど、きっと今日は二人分持って行ったのだろう。そういえば今日の弁当はいつもよりおかずが多かったような・・・元々、料理好きだし楽しんでいればいいか・・・
なんて、遠くの二人をぼんやり眺めていると横からタクトが声を張り上げた。
「う・ら・ら・ちゃーん!」と大声で呼んで笑顔で手を振っている。
やめろって、
振り向いた麗が恥ずかしそうに小さく手を振りかえしてきた。
その後ろで、驚くほど怖い顔した池田君がこちらを睨んだかと思うと空いてる手で麗の手を握るとさっさと1年の校舎を目指して歩いていった。

「タクト・・・池田君って独占欲強いんだなぁ・・・」
なんて仲間が口々に話していた。
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