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春うらら
第18章 18 麗の過去 高校時代
コンコンコン・・コンコンコン
この連続ノックは・・・
「朗~いる~?」
ノックと同時に開かれるドア・・・兄貴だ・・・そっと彼女を離し彼女を背に隠しながら振り向く。せっかくいい雰囲気だったのに・・・
「何か用?」
声にいらだちを滲ませながら返事をすると、部屋の入り口で立っている兄貴が苦笑いしながらゆっくりと部屋に入ってきた。
「おいおい、そんなに睨むなよ・・・悪かったよ迎えに連れて行ってやれなくて。帰りは送って行けるから、俺だって被害者なんだから・・・」
分かってるよ、別にそんな事で怒ってないし、それよりも兄貴がわざわざ部屋に来たって事は彼女を見にきたに決まっている・・・・が・・・見せたくない!
こっちに帰って来るまでの数年は別々に暮らしてたけど、中学時代は良く付き合っていた女の子に「お兄さんカッコいいね。」会うたびに兄貴にばかりを見つめられると、さすがに気持ちが冷めてしまう。まぁ兄貴が悪いわけではないし・・・年も離れているから兄貴としてもなんとも思ってないのだろうが、そのころから兄貴は俺のトラウマになっている。
「初めまして、宮内麗と言います。」
俺が兄貴を睨んでいる隙に彼女が俺の後ろから顔を出して兄貴に笑顔で挨拶している。
明らかに兄貴が目を丸くしている。そりゃ今までの歴代彼女の中でダントツに可愛いからなぁ・・・