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春うらら
第9章 麗と誠
「・・・うーん、言うのちょっと悔しい・・・むかつく・・・」
よくわからんが睨まれる。俺と圭太で顔を見合わせる。
???

さらに大きく息をつくと、
「なぁ、お前ら今日夕方から暇?」
「俺、今日バイトですよ?家庭教師してる子がテスト前だから追加授業です。夜9時にはフリーですけど?でも坂口さん夕方の飛行機に乗るんでしょう?」
「俺、暇ですよ。金曜なんで。」

すると、坂口さんはさらに厳しい目つきで俺を睨む・・・

「じゃ、暇じゃないです」

はぁぁぁ、さらにため息・・・

坂口さんがおかしい、意味がわからない。

「誠・・・俺、本当は言いたくないんだけど。(はぁ)
今日は麗とデートの予定だったんだ。麗も見たがってた映画で、カップルシートでチケットまで取ってある。
代わりに行くか?たぶん、予定が入ったって言ったらきっと麗は今回はやめましょうって言うだろう。
それでもいいのかもしれないけど、せっかく麗が少しづつ趣味的なものを持ち始めたのに、せっかくの休日の週末に、麗を1人にしたくない。出来るだけ楽しい状況においておいてやりたい。1人でいたっていいことなんてないから・・・」

「はぁ…よく状況わからないですけど…彼女とデート出来るって事ですよね?」

「んんん、まぁな。
麗はある事情があって、人に会うのを避けてたんだ。っていうか会えなかった。
だから、徐々に回復している麗を守りたいんだ。」


と言って、一旦言葉を止めて切ない目でため息を軽くついた。



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