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春うらら
第9章 麗と誠
校門を過ぎて、駅方面に向きを変えようとした時、突然つないだ手をグッと後ろに引かれる。振り返ると、申し訳なさそうな彼女・・・
「誠さん…ごめんなさい、ちょっと早くて、ヒールだから・・・ごめんなさい。」
少し、頬を上気させた彼女がやっと声に出す。
あ、俺、彼女のペース何も考えずに、さっきの男達にイラついたまま歩いてた。
「ごめん、ちょっと考え事してて…早すぎた」
素直に謝ると改めてゆっくりと歩き出し、彼女と手をつないだままだったことに気付く。
「手・・・」と俺が言うと彼女は「ん?」と俺の顔を覗き込みながらつないだ手に気付く。
あ、気づいてなかったなら言わなきゃ良かった。残念だけど…握る手の力を緩めようとした。
手が離れる前に、しっかりと繋ぎなおしながら彼女が
「繋いだままでもいいですか?私、人混みって苦手で、よく逸れてしまうんです。威張れないですけど…」と照れ笑いをした。
嬉しくて頬が緩みそうになるのを必死で堪えて、俺もしっかりと手を握り返した。
彼女はほっとした笑顔になった。映画館までは電車でひと駅。最寄りの駅に行くには右、ひと駅歩くなら左・・・人混みがいやなら歩くほうがいいけど?ヒールで歩くのは辛いか?立ち止まったまま悩む。
すると彼女がすっと左方向へ向いて俺を見上げた。
「誠さん…ごめんなさい、ちょっと早くて、ヒールだから・・・ごめんなさい。」
少し、頬を上気させた彼女がやっと声に出す。
あ、俺、彼女のペース何も考えずに、さっきの男達にイラついたまま歩いてた。
「ごめん、ちょっと考え事してて…早すぎた」
素直に謝ると改めてゆっくりと歩き出し、彼女と手をつないだままだったことに気付く。
「手・・・」と俺が言うと彼女は「ん?」と俺の顔を覗き込みながらつないだ手に気付く。
あ、気づいてなかったなら言わなきゃ良かった。残念だけど…握る手の力を緩めようとした。
手が離れる前に、しっかりと繋ぎなおしながら彼女が
「繋いだままでもいいですか?私、人混みって苦手で、よく逸れてしまうんです。威張れないですけど…」と照れ笑いをした。
嬉しくて頬が緩みそうになるのを必死で堪えて、俺もしっかりと手を握り返した。
彼女はほっとした笑顔になった。映画館までは電車でひと駅。最寄りの駅に行くには右、ひと駅歩くなら左・・・人混みがいやなら歩くほうがいいけど?ヒールで歩くのは辛いか?立ち止まったまま悩む。
すると彼女がすっと左方向へ向いて俺を見上げた。