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第10章 麗とルイ

「ルイはどうするの？行く？」
「うーん、武志さんは？どうするの？」
「どうしよう？まぁおじいちゃんからのお願いなんて珍しいし、行ってみようかな？って思っているけど？？
にしても、モテモテのルイが1人の女の子を追っかけてるなんて、珍しいね。いつも追いかけられてるほうなのに。」
と穏やかに微笑みながら聞いてくる。
「ははは、そうだねぇ・・・今回は俺がひと目惚れ・・・。しかも彼女学内で超人気あってライバルもたくさんいて・・・はぁ・・・
そういえば、武志さんって彼女いないの？もてそうなのに？？」
とつい、聞いてしまった・・・
武志さんはとっても切ない目をして・・・

「ああ、そういえば最近いないなぁ・・・でも俺はいいよ。カリンが幸せになる方が彼女よりも大切だから。」
複雑な表情の武志さんを見ていると切なくなってくる。
「じゃあ俺も一緒に行く！一緒に行こう、いい？待ち合わせの10分前に集合でいい？」

と、武志さんと一緒に行く約束をした。

武志さんの事情を全部知っているわけではないけど、心に大きな深い傷があるのは分かる。そんな人に優しくされると戸惑ってしまう。
でも、武志さんって本当に優しくて、幸せになって欲しいと思う。