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Blindfold
第7章 けじめ


重なった手のひら。



樹は親指を動かして、私の手の甲を愛おしそうに撫でている。



なぜ、応えられないのだろう



どうして私は、幸せを選べないのだろう



ここまで来ると、自分のことなのにそれが悔しくてならない。




「結局快感に負けたんだ、俺は」




そして、樹ははっきりと言葉を続ける。





「挙句……そんなに強くなれないことに気付いた…」






樹の手が離れていく。


それを追いかけようとは思わない。





「桜、申し訳ないけど俺は『樹』だ…。」



「…………」


「幸せになりたいって思うし…もうこれ以上、自分を犠牲に出来ない…」





切なげな微笑み。




「うん……」





辛うじて返事をする。



申し訳ないという気持ちとそうやって言える樹に対する嫉妬にも似た気持ちが、渦巻く───…



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