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Blindfold
第7章 けじめ
「戻ろう…」
「────…」
「俺たち、幼馴染みだろ?」
「………そうだったね」
カップを掴む。
手が震えているがバレないように。
こうしたかったはずなのに、樹が前を向いている事に、焦りが止まらない。
「桜も、もっと自分を」
大切に─────
何人に何度言われただろう。
そうしたい。
でもやり方が分からない。
どうやったら、想いを断ち切れるのだろう──
加害者でありながら、同族のような意識もあった樹。
そんな彼はもう自分のために歩き出した。
ホッとしたのと同時に、私はやはり樹が羨ましくて仕方がなかった。