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Blindfold
第7章 けじめ
「ここまでどうにか上手く幸ママに頼んでやって来たけど…今週はそうも言ってられなくてな…。
女の子たちが揉めてさ。幸ママ、No. 1に謹慎言い渡したんだぜ?」
「だから知らねぇって。
それは長男の仕事だろ?」
「えっ……」
再び思わず声を漏らしてしまい、ハッとする。
「何だよ」
横目で私を見た店長の声が低く響き渡る。
いやだって…
どう見たって拓也さんの方が──…
「達也の方が兄貴だと思ったんでしょ?」
「え、えと……っ」
拓也さんに図星を突かれて反応に困っていると、頭をガシっと鷲掴みされて目を瞑った。
「お前は聞き耳立ててねぇで仕事しろ」
「すみません……」
「おい、達也、そんなかわいい子いじめるなよ。それにお前の方が年上に見えるのはいつものことだろ。
なに今更キレてんだよ」
「キレてねぇよ別に」
そういいながら店長はゆっくりと手を離した。
そして、お前が童顔なだけだと小さく呟く。
いづらくなった私は、そそくさとその場から退散した。