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Blindfold
第8章 本当の姿
動揺しているのか、目がユラユラと定まらない様子で揺れている。
やっと近付いたと思ったら
彼はまたどこかへ行ってしまう。
「病院からっ……
電話があってっ……!」
思わず身体が固まった。
「か、薫がっ……」
ああ…
またお姉ちゃんの話─────
焦りながら、かずにぃは強く私の両肩を掴む。
くしゃりと
彼が表情を歪ませたのを見て
嬉しそうだ───
と、呑気にそんなことを思う。
「目を覚ましたって───」
私の手元から
持っていたチューハイが
スルリと滑り落ちる。
そして、中身が溢れて絨毯に染みを作っていた。