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Blindfold
第8章 本当の姿
どうしたんだろう……
あまりの慌てように不安が募って、かずにぃから目が離せない。
嫌な予感が立ち込めて胸を抑える。
まだ心臓が高鳴ったまま。
少し落ち着きたくて、先ほどかずにぃが飲みかけたチューハイを掴んで飲んだ。
「ほんとう……ですか………」
電話口に向かって、かずにぃはそう漏らす。
やはり嫌な予感がする。
分かりました、と言って電話を切ったかずにぃは、ふらつきながら立ち上がると辺りを見回す。
「かずにぃ……」
あぁいやだ
聞きたくない
「どうしたの……」
埋もれたコートを掴んで着ているかずにぃは、ハッとしながら私に向き直る。