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Blindfold
第10章 唇
時計をぼんやりと眺めた。
帰ってきてからどれくらい経ったのか分からない。
カチカチという時計の音。
それと、外の雨の音が混ざり合う。
結局一睡も出来ないまま私は朝を迎えた。
寒くて、身体を布団から出せない。
丸まったまま私は目を瞑った。
お姉ちゃんのところに
行かなくちゃ…
目覚めたんだし…退院するんだろうか。
それすらもよく尋ねないまま昨日は病院を出てしまった。
かずにぃは
今何を考えているんだろう。
この上なく幸せなんだろうか。
そして…