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Blindfold
第11章 正体

「拓也と達也の実家はね、お花屋さんなのよ」



「お、お花屋さん……?」



「そう。それも、昔ながらのお得意様とかしっかり持っているような老舗でね」



「は、あ…」


「お父さんが倒れたからって簡単に休業は出来ないお店なのよ」




“お店” という言葉から連想していたものとまるっきり違って、私は、再びはぁと間抜けな返事をした。




お花屋さん…



あぁだから、店長はやたら花言葉に詳しかったり、店の前の花壇を手入れしたりしていたのか。




「最初は拓也が手伝わなきゃいけなくなったって言ってきたから、うちの休みを増やしてあげてたの。それで、なんとか実家の方もうまくやってたみたい」



「なるほど……」


「でもね…ちょっとうちのお店も色々あって拓也がいないと困る状況になっちゃって…」



「あ…た、たしか、No.1の方が──」


「そう謹慎させてるのよ。本当に馬鹿らしい話なんだけど。」



そう言いながら幸さんは額に手をやってため息をついた。



「まぁどんな馬鹿馬鹿しいことだとしても、全部オーナーの私の管理不足が原因ね…」



そのNo.1は一体何をしたんだろうか。


幸さんのいる世界のことはわからないけど、No.1はその名通り1番の稼ぎ頭で、キラキラしていそうなイメージだけれども。





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