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Blindfold
第11章 正体
「そんなこんなで、今週はどうしても拓也を休ませられなくて…達也が代わりに実家を手伝ってたみたい」
「えっ……」
知らなかった。そんなこと…
「自分の店を少し休んだりするのかと思ったけど…どっちも普段通り出来るとこの人は思ったんでしょうね…」
そう言いながら、幸さんはため息をついて、店長のことを眺めた。
「昼間は花屋で夜はバーじゃ、寝る暇もなかったんだと思うわ……」
幸さんはため息をつきながら店長のことを眺める。
昨夜お店に来た時、少しよろけていた店長を思い出した。
あぁ…
何も知らずに、私は自分のことで頭がいっぱいで──
─────────俺んとこ来い
甘えすぎていた。
その自分勝手さに嫌気がさして、胸が苦しくなった。