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Blindfold
第12章 風
「ずっと、話したいと思って探してたんだ…」
そう言いながら、かずにぃは曇りなき眼で私のことを見つめた。
無垢で純粋なその瞳。
それが今、私には怖くてたまらない。
「話…っ?」
お姉ちゃんが目覚めた今、私たちは話す必要があるだろうか…
「ずっと気にしてたんだ…」
「えっ…?」
かずにぃが…
私のことを───?
「このままでいいのかって…」
このまま…もう掘り返さずに───…
「俺、動揺してて…。まさか薫が目覚めると思わなかったしっ…」
言葉尻から、まだ興奮しているのが分かる。
薄い唇。
あの日重ねた唇が切なく胸を苦しめる。