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Blindfold
第12章 風
グッと涙を堪えていると、鈍い音がきこえてきて、かずにぃが頬を抑えながら地面に倒れ込んだ。
「っ…かず──」
「ふざけんじゃねぇよ!!」
突然の事に驚いて、かずにぃに駆け寄ろうとしたら、店長が聞いたこともないような大声で叫んだ。
そのまま立ち尽したまま身動きが取れない。
同じように、驚いているかずにぃは店長を見上げた。
「何が『桜をどうぞよろしく』だ!!! 桜の気持ちも考えないで、好き勝手しやがって!!!!」
いつも落ち着いている店長が声を荒げている。
私が言葉にすることの出来なかった思い。
それが今店長によって言葉にされていく。
「俺はな、てめぇみたいに鈍感でヘラヘラした男が一番嫌いなんだよ!!!」
「なっ……」
地面で転がっているかずにぃの胸ぐらを、店長が掴んだ。