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Blindfold
第13章 つぼみ
「あの………」
「ん?」
「……さっきは、ありがとうございました」
素直に頭を下げる。
シン…と、部屋の空気が静まった。
そのまま頭を下げていると、店長は再びぬっと起き上がった。
「…………殴って悪かったよ」
予想外の言葉に、私はゆっくり顔を上げた。
「あんなやつでも、お前の大切なやつなのに…。あまりにも腹が立ってついやっちまった…」
後頭部を掻いた店長は視線を落とす。
さっきは看護師さんに反省してない風を装っていたけど、その表情から、本当は反省してるのが分かった。
「こう…突発的に行動する癖、ここの病院で治してくれねぇかな…」
「っ………でも……っ」
笑い話にしようとしている店長に思わず身を乗り出した。
「あんな風に言ってくれて……本当に感謝してますっ……」
─────────桜の気持ちも考えないで、好き勝手しやがって!!!!
私のために、あんな風に血相変えて言ってくれた、その事実が嬉しかった。