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Blindfold
第14章 自立




引き出しを開けて、中に何も入っていないことを確認する。



使用感のない部屋。



もう2年も使っていたとは思えない。




「忘れ物、もうないね」



「ありがと」





笑ったお姉ちゃんの車イスを掴む。




ついに今日はお姉ちゃんの退院の日。




長い間通いつめたこの病院と、離れる日が来た。






「寂しくなったりしないの?」



「しないよ。だって、私からしたら、1週間もいなかったみたいな感覚なんだから」



「そっか」





明るくそう言うお姉ちゃん。




確かに、眠っていたお姉ちゃんよりも、幾度となくここに通っていた私の方が思い出は深いかもしれない。







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