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Blindfold
第14章 自立
窓から差し込む光。
それが機械に繋がれたお姉ちゃんを照らしていた。
話し掛けても、カフェラテを持っていっても、返事を返さない。
外はいい天気なことが多かったのに、この部屋の空間には私に堪えられないほど、色々なものが漂って淀んでいた。
苦しくて、息することもままならない中、追い打ちを掛けるように、立派で大きな花がお姉ちゃんの枕元で咲き乱れていて──…
ふと、見上げると、そこには空の花瓶がぽつんと置いてあった。
「………かずにぃは?」
「あと10分くらいで、一階のところに来ると思う」
「そうなんだ……」
気持ちを伝えて、そしてさよならと言ってから一回も会っていない。
傷は大分癒えた。
でも、このままお姉ちゃんの車椅子を押して、そしてお姉ちゃんの退院を喜ぶかずにぃに会えるほど癒えているのか、正直自信がない。
「桜……」
「あ…ごめん、行こうか」
ぼんやりしていた私は、慌ててお姉ちゃんの車いすを押そうとすると、お姉ちゃんが振り返って、私の手の上に自身の手の平を重ねた。