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Blindfold
第16章 この恋に気付いて
自分に正直でいたい。
だから、言いたいことは全部言ってしまおう──
「他の人とっ……付き合えとか言わないでほしいっ……」
目を細めた店長が私を見つめる。
「……付き合うな」
「…っ…子ども扱い…しないで…っ」
「だからしてねぇよ。お前がそう思ってるだけだ」
「っ……」
「あとは……」
息がかかるほど唇が近い───
自覚したばかりの新しい気持ち。
それがむず痒いのに、不快ではない。
「好きって……っ…好きって言ってっ……」
「好きだ──」
欲しかった言葉は躊躇いなく吐かれた。
それが嬉しくて、思わず目を閉じる。
いつの間にこんなに想いが溢れていたんだろう────
「っ……キスしたあとにっ…悪かったとかっ…言わな──」
知っている温度と感触。
やっと重なった唇に、安心と感動で涙が溢れた。