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Blindfold
第16章 この恋に気付いて
「感情に正直でいろって、店長が言ったんじゃないないですかっ……!」
「桜…」
「キスしてきたくせに謝ったりっ…優しくしたと思ったら樹と付き合えって言ったりっ…結局、店長が中途半端な態度を取るからっ…私は…っ」
クッと、顎を掴まれて目を見開いた。
精悍な顔立ちが、今さら私の胸を高鳴らせる。
「『私は』…なんだよ…」
「………っ」
「さっきから、一方的にわめき散らしてるけど……俺だって同じだ」
「……っ…何が同じなんですかっ…」
「はっきり言ってくれ。じゃなきゃ俺も分かんねぇんだよ」
「───────っ…」
親指で唇をなぞられる。
同時に、視線も唇に向けられて、心臓がさらに速さを増している。
「全部お前の言う通りにしてやる。だから教えろ」
伝えたいことや、言って欲しいこと…
「お前は、俺にどうして欲しいんだ───」
そんなこと、山ほどある。