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Blindfold
第16章 この恋に気付いて



知らぬ間に開店時間を10分も過ぎている。




うそ……



驚きと恥ずかしさから、私は顔を押さえた。




「あの……?」



「あっ…ごめんなさいっ……!今すぐ──」




開けます、と答えようとしたのを店長が阻んだ。




「すみませんお客さん、今日は臨時休業です」



「え……?」





臨時休業?





「──そうですか」





関根さんと呼ばれた彼は、驚くでもなく微かに笑った。





「すみませんね」



「いえいえ。また来ます」




そう店長に答えると、彼は私の方へ視線を移した。






「では、“ごゆっくり”」



「………はい…?」




クルリと振り返った彼は、行くぞ酒田!と七三の彼の肩を叩く。





「臨時休業だなんて、関根さん、今日はついてないですねぇ」



「なんだその言い方は」



「いや、だって……ねぇ?」



「真希さんが無事だったんだ。それだけで今日は呼ばらしい日だよ」



「またかっこいい事言っちゃって」





そう会話して去っていく二人の背中を見つめる。




人違いだったのだろうか…。




不思議に思いながら、店長に腕を引っ張られてお店の中に入った。




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