この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blindfold
第17章 目隠しはいらない

作業をしていた店長の動きが止まった。
「……またあいつの事か?」
「だって…」
ふわりと見えたうなじ。
大人の色香をいやらしくなく漂わせている幸さん…
そして、私には見せない店長の照れた顔。
今までずっと気になっていたことが一気に頭に浮かんだ。
「もしかして…幸さんが元奥さんとか…?」
「はぁ?」
大きな声でそう言いながら、店長は振りかえった。
「何バカなこと言ってんだよ」
「………」
反応を見るに、違うらしい。
安心したような、そうじゃないような。
「だから、あいつはただの相談相手だよ」
相談相手…ね。
「相談なら、私にすればいいじゃん」
ずっと言いたかった事。
「私には、俺に言えっていうくせに」
「……………」
「不公平じゃないですか」
言葉を待っていると、ヤカンがヒューと音を立てた。

