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Blindfold
第17章 目隠しはいらない



作業をしていた店長の動きが止まった。




「……またあいつの事か?」



「だって…」




ふわりと見えたうなじ。


大人の色香をいやらしくなく漂わせている幸さん…



そして、私には見せない店長の照れた顔。



今までずっと気になっていたことが一気に頭に浮かんだ。





「もしかして…幸さんが元奥さんとか…?」



「はぁ?」




大きな声でそう言いながら、店長は振りかえった。




「何バカなこと言ってんだよ」



「………」






反応を見るに、違うらしい。


安心したような、そうじゃないような。




「だから、あいつはただの相談相手だよ」




相談相手…ね。




「相談なら、私にすればいいじゃん」




ずっと言いたかった事。




「私には、俺に言えっていうくせに」



「……………」



「不公平じゃないですか」




言葉を待っていると、ヤカンがヒューと音を立てた。






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