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Blindfold
第2章 身体
「かずにぃ……」
「………」
「すごかったね。今日…」
かずにぃは言葉を返さない。
戸惑っているんだと思う。
分かっている。
私が彼を『かずにぃ』と呼んだら、
その瞬間から私は
『桜』に戻ってしまうから。
分かっていながら、私は自分で魔法を解く。
「ごめん……」
何度聞いたか分からない謝罪の言葉を吐きながら、かずにぃは目隠しを外した。
「乱暴だったよな…」
「……そんなことないよ」
「歯止めが利かなかった…」
愛されていたら、きっと嬉しい言葉なんだと思う。
「本当にごめんな…」