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Blindfold
第18章 Blindfold
今さらそんなこと掘り起こされても困る。
返答に困っていると悠にグッと腕を掴まれて、身体がよろけた。
「ねぇ、まだ、俺とヤる気ある…?」
「──────っ…」
耳元で囁かれて、私は軽く目を見開いたあと、悠のことを見た。
なんて気分屋なのだろうか…
「私はダメなんじゃないのっ…」
「あの時はね。でも、今はいい感じ」
意味が分からない。
悪い感じもいい感じもない、この人は本当に何を言っているんだろうか。
「お客さん」
悠の訳のわからない発言を理解しようとしていると、ずっと黙っていた店長が私の腕を掴んでいる悠の腕を掴んだ。
目だけ店長の方に向けた悠は、またお得意の妖しい笑みを浮かべている。
「あれ?今は勤務中じゃないですよね?」
「……そうですね、でも──」
「わっ…」
無理に店長に身体を引き付けられて、そのまま彼の胸に飛び込んだ。
デジャヴだ。
最初に悠にナンパされた時もそうだった。
「もう…こいつは俺の女なんで。勤務中じゃなくてもちょっかい出さないでもらえますか」
「っ………」
頭に手を乗せられて完全にホールドされた私は、照れながら店長を見上げた。
妬いてくれているのかと思ったけれど、余裕そうに笑っている。