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Blindfold
第21章 恋人への不満
腕組みながら不機嫌に私を見ている彼を負けずに睨み続ける。
「いや……だ」
「たーーべーーろ」
「………イヤ……」
「たーーーべーーーろ!!」
「……………嫌!!」
痺れを切らして、視線を外す。
そして、自分のお皿に入っているブロッコリーをお箸で掴んで店長のお皿に移す。
「お前なぁ……」
「……今さら食べられるようになったりしないし……。諦めて下さい」
本当に、この人はガミガミうるさい。
ごちそうさまでした、と小さく呟いてテーブルから立ち上がった私はテレビの前に座り込んだ。
「ったく……」
後ろでそう店長が言っているのが聞こえるけれど、聞こえないふりをしてテレビを見つめる。
パジャマ姿のまま。
時間は朝の9時。
もし、自分の家だったらまだゴロゴロしてる時間だけど、店長に家に泊まるといつも叩き起こされる。
シャーっと水の流れる音が聞こえてきて、私はそっと振り返って流しの方を見た。