この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Blindfold
第21章 恋人への不満
私が残したブロッコリーを口に放り込んで、もぐもぐと食べながら、お皿を洗っている。
口うるさいのから逃げたくて、すぐにテレビの前に来てしまったけれど……
ご飯も作ってもらったわけだし、片付けくらいした方が良い気がしてきた。
ゆっくりと立ち上がって、背後から近付く。
大きい背中。
ここに自分の手を這わせると、さらに大きく見えるからそうするのが結構好きだ。
「店長……」
「ん」
「お皿……洗います」
隣へ行って、流しの淵に手を付く。
「いやいい。すぐおわっから」
そう言って店長は慣れた手つきでお皿を洗っていく。
何となく、申し訳ない気持ちが溢れて、でも……と言葉を続ける。
「ご飯も……作ってもらったし」
チラと横目で店長を見る。
すると、店長は目の細めたあと、私の目の前でパッと手を開いて水を飛ばして来た。