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Blindfold
第2章 身体
「……つらいよな…」
ぽつりと、かずにぃが呟いた。
……つらい…
「そうだね」
「いつになったら…」
かずにぃはそう言いかけて、言葉を止めた。
思わず、振り返ると大きな背中が目に入った。
かずにぃ…
私の知っているかずにぃは、いつだって私を見ていない──
「いつになったら……解放されるんだろう…」
「─────」
「いつになったら、薫は、目覚めるんだろう…」
苦しそうな声
そしてその言葉が私の胸を貫いた。
それは決して、鋭く突き刺さるものではなかった。
ゆっくりとそして、じわりじわりと、私の胸に、刃物がめり込むように───