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第23章 夢

ボタンは全て外されて、ブラジャーが露わになる。

気持ちが昂って体が熱い。

お互い様って……どゆこと？

あぁでもそんなこと、この世界で考えても無意味かもしれない。


すると、店長は私の疑問を見透かしたようにフン…と鼻から息を吐いた。



「俺だって色々と気が気じゃねぇよ……」



ぽつりとそう言った店長をじっと見つめる。


それって………


──────── 本当、お客さんそっちのけで、色んな顔してるもの


──────── もちろん、優しい顔で見守ってる時もあるけど、ほとんどがハラハラしたような顔ねー



あぁそうか、幸さんに確かそんなようなこと言われたから……。それに引っ張られて私の中の店長はこんなことを言うのかもしれない。



「……店長……」


「お前さ……いい加減その呼び方やめろよ」


「え………？」


「達也って呼べって」



そういうと、達也は私の耳たぶを甘噛みして、フッと息を吐いた。



「ぁっ……」


ゾクりと体が震えて、思わず声が漏れる。



「────何回言ったら分かるんだよ」


「分かってるけど……っ…呼び慣れなくて」


「呼び慣れようっつー努力すら感じねぇけどな？」



腰を掴まれてそのひんやりとした感じに、はぁと深いため息のように息が漏れる。


そういえば、前もそんなことを言ってた。



「努力するっ…けど…。そんなに嫌、なんですか……」


「いやっつーか……」


「…………？」



言い淀む達也に合わせて首を傾げると、達也は私を抱きすくめて私の首筋で顔を埋めた。


手とは別に、熱い舌が、私の弱いところを刺激する。




「ここにこうやって二人でいるときは…」


「ちょっと待っ…てっ……」


「店長と従業員って関係じゃねぇだろ？」



そうだけど……。


意外とそういうこと気にするんだ、と思っているとブラジャーのホックが知らぬ間に外された。


あぁ、このままペース……持っていかれちゃう……


いつもはいいけど、今日はそれは絶対に嫌だった。