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Blindfold
第23章 夢
「でも……私の方が絶対っ……店長のこと好きだから……っ」
そう叫んで店長を凄む。
するとぴくり、と店長の眉毛が動いたのが分かった。
「大好きなのっ………! すっごく…すっごく好きっだから……!!言っとくけど……っ店長のことこんなに好きなのっ……私だけだから」
普段だったらこんなこと絶対言わない。
私らしくないことこの上ない。
でも、私らしいって……?
だって今言ったことは紛れもなく私が思っていることだ。
むしろいつも溜め込みすぎなのかもしれない。
だからもう、気にせずこの際だからぶちまけてやる。
どうせ儚く忘れてしまうだろう夢なんだし。
再び店長に跨り、シャツのボタンに手を伸ばして、ボタンを外していく。
でも、手元が覚束なくてうまく外せない。
店長は、もはや観念したのか抵抗することもせず、優しく桜……と私の名前を呼んだ。
「俺がいつ若いのがいいって言ったんだよ」
「……それ………は…」
「あと……お前は……」
そしてボタンから店長に視線を移すと、その緩い微笑みに目を奪われた。
「かわいい、俺の中では世界一な」
「っ………」
店長らしくない歯の浮くようなセリフ。
それでも嬉しくて顔が熱くなるのを感じる。
すると、店長は自ら自分のボタンに手をかけてボタンを外していった。
現れた綺麗な筋肉に、心臓がドキドキと高鳴る。
ファっとシャツを脱いでベッドの脇に置いた店長は、今度は私のワイシャツのボタンに手をかけた。
「お前が何をそんなに不安がってるんだか、全く分かんねぇけど」
「っ…………」
「ま、それは……お互い様…なのかもな」