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Blindfold
第24章 飼い主


頬が暑い。

じっとりと嫌な汗をかいているのが分かる。

鼻を掠める朝の香り。


ゆっくりと目を押し開けると、外からの光が容赦なく照り付けていて、思わず寝返りを打った。



「いっ…た……」



それと同時に頭がズキっと深く痛んだ。



なにこの痛み………。


ゆっくりと身体を起こして、片手で頭を抱えながら周りを見渡す。


ここは……


店長の家だ。



昨日泊まった…んだっけ……



記憶を呼び起こしてると、ベッドの前のローテーブルに置かれたコップが目に入った。



「とりあえずその水飲んどけ」



突然聞こえてきた店長の声に、小さくワッと声を上げた。


それだけで体に響いて頭も痛む。


最悪だ……これはどう考えても二日酔いのそれ、だ。




「気分は」



声のする方、つまりはキッチンの方を見ると、店長がタバコを咥えながら腕を組んで立っていた。



気分……は…



「最悪ってとこか」


「………………」



完全にバレてる。


ん、と軽く返事をして私はコップを掴んで中の水を飲み干した。


それと同時に、頭の中でゆっくりと記憶のピースをかき集めていた。
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