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Blindfold
第3章 お店


「遅刻したんだから怒って当然だろ?」




別に怒ってないくせに、そんな事をいう店長は、シェイカーを手に取ってお酒を入れている。


その手さばきは、本当、何度見ても釘付けになる。




「桜ちゃん、嫌になったらいつでも私のお店に来なさいね?」



「いやぁ…」




水商売なんか、私は絶対に向いてない。




「こいつは愛想ないから、出来ねぇよ」



全く思っていたことと同じことを店長に言われて、キッと睨んだ。



自分で思うのは良くても、人に言われるのはむかつくものだ。





「そうかな…?私はそんなことないと思うわよ」



「いやいや無理だよ」



「そんなことないって。達也なんかより、私の方が見る目、あるんだから」




達也というのは店長のこと。



どれくらい長い付き合いなのか分からないけど、幸さんは、店長のことをそうやって呼ぶ。







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