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Blindfold
第25章 尊さ
「あんなに愛してくれる男いないだろうから、離しちゃダメだよ」
「っ………は…い」
店長に聞こえないように小声で言われて、いよいよ顔が沸騰しそうなほどに赤くなるのを感じた。
知らない間に、こんなに見られていて、応援されていたなんて知らなかった。
恥ずかしさと嬉しさがどっと押し寄せて、堪らずカウンターにいる店長に視線を移すと、バチッと目線があった。
店長も慌てた様子で目線外すと、「いいから早くこれ運んでくれ」とそっぽを向きながら葵に再びお酒を差し出した。
「はい!」
元気よく返事をした葵は、そのままお客のところに行く。
いやー君いいねぇ、なんて言われながら名前を聞かれたりしている。
私はその場にいるのが恥ずかしくて、逃げるように洗い場へと向かった。