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Blindfold
第26章 買い物
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街のカフェにて、
アイスコーヒーを啜ると、目の前に座る葵が「なるほどぉ」と呟く。
「……どう、なんだろう」
「いいと思いますよ! でも店長の年代の男の人が持つ財布って……ちょっとお高い感じになっちゃいそうですよね」
バイト前の日中。
すっかり懐かれたバイトの後輩である葵に誘われてお茶をしている。
こういう事をするタイプでもないし、そもそも私はつるむような友だちもいないから、正直最初は戸惑った。
だけど、あんまり葵が強引に誘ってくるもんだから根負けして…
そしてその一回を機に、私たちはよくこうしてカフェでまるで友だちみたいに話しているわけだが……。
ついに、私は店長の誕生日プレゼントの話までを葵にしている。
「まぁ……値段は、とんでも無く高い、とかじゃなければ別にいいんだけど……」
考えれば考えるほど、本当に財布でいいのか、とか、そんな事が頭をグルグルしている。
だからって、まだ学生の、しかもドジでお馴染みの葵に相談する私もどうかと思うけど……。
「何が心配なんです?」
「うーん……なんていうか…」
言葉にできずに言い淀んでいると、葵が、「あ!」と声を上げた。