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Blindfold
第28章 疑惑
起きがけに水を飲みながら、私はスマホの時計を見た。
まだ朝の10時。
昨日家に帰ってきて寝たのが3時とかだから、まだまだ眠い。
けど……
今日はやっと「Blindfold」に行く日だから、ソワソワしてしまっている。
朝に行くのは流石に早いから、行ってもお昼過ぎかな、とは思っていたところでスマホがぶるっと震えた。
確認するとちょうど店長からのLINEで私は思わず「ん」と声を上げた。
『葵と2人でどうにかなるから、今日も無理して来なくていいぞ』
不器用な気遣いの言葉に、なんとも言えない気持ちで満ちる。
私の体を気にして、無理しなくていいと言ってくれているのは分かるけど……
会いたいけど、とかそういう言葉があってもいいんじゃないの?
まぁ、店長がそんなことを言うのも想像が付かないっちゃ付かないけど……。
『大丈夫です、行きます』
私も私で、可愛くない返信をしたあと、化粧ポーチを手に取って、鏡の前に立った。