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Blindfold
第28章 疑惑
やっと14時になって、私は店の前に着いた。
時間潰しのために、普段そこまでしないメイクをして、髪を整えて…
それでもまだ早い時間だ。
いつものバイトに行くだけなのに、すごい気合を入れているやつみたいになってしまったのが小っ恥ずかしいけど、仕方ない。
この時間なら、店長はまだ家にいるだろうか。
でも、たまに早めに仕込みを始めていることもあるので、どっちだろうかと悩んでいる間、店の前の花壇の前に人影があるのを見て、思わずびくりと体が震えた。
「あ………て、んちょう」
「ん……? あ、お、おう」
店長も私の姿を見て、軽く見開くと、手の土を払って私に近付いてきた。
久しぶりの店長に、馬鹿みたいに胸が高鳴って、顔が熱くなる。
久しぶりって言ったって、4日とかその程度の話だっていうのに自分で大袈裟だなと思うのに、見上げた店長がキラキラして、それでいてめちゃくちゃイケメンに見えた。
「……随分早いな」
「今日は時間があったんで」
「時間があったなら、もっと体を休めた方がいいぞ」
「…………大丈夫です」
「まぁ、無理はするな」
ぽんっと頭を撫でられて、胸がいっぱいになる。
かっこいい
優しい
本当にすごい大好き
そんな乙女マックスなことで頭がいっぱいになった私は俯いたまま、店長のあとについて店の中に入った。