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Blindfold
第30章 ハッピーバースデー
唇を離した店長は、その様子をじっと見ている。
体が火照って、快感欲しさに私は誘惑するようにして店長を見つめた。
「………もっかい…」
「………………」
「……したいです」
今日のために買った挑発的な下着姿で、自分から誘うと店長は私の首筋に顔を埋めて、舌を這わせた。
「相変わらず…わがままだな」
「……っ…だって、2週間も会えなかったから」
まぁ…その期間会えなかったのは私のせいだけど…。
だからって体の疼きを鎮められるわけじゃない。
フッと笑った店長は再び私の体を押し倒しながら、私を見下ろす。
「2週間分てことなら……今日は寝れねぇな」
「っ……────」
合わせて、同じく中途半端に乱れていた上着を脱いだ店長は私に覆い被さる。
肌と肌の温もり。
それが直接じんわりと伝って、それだけで心地良い。
ぼんやりと、自分が飾った『Happy Birthday』の飾りを見ながら、この人が生まれてきてくれて、そして出会えて、そして好きになってくれて本当に良かった、と思った。
「さくら…────」
吐息混じりの低い声。
好き。大好き。好き。好き……
終わることない想いのループを胸に抱えながら、私はひたすらに店長の腕の中で声を上げていた。