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Blindfold
第30章 ハッピーバースデー
「当たり前だろ」
「…………」
「期待に添えなくて悪いけど、俺は完璧な人間じゃねぇよ」
「そうみたいですね。なんか…やっぱ嬉しいです」
少し矛盾したような発言をしながら思わず店長の首元に腕を回して抱き寄せる。
そして、ハッとした私は店長をギュっと抱きしめたまま「そういえば…」と話を続けた。
「………悠とは…何もありませんから」
「………………」
「悠に限らず…もちろん……浮気もしてないし」
弁解になっているのか少し心配だった。
でも、私が悠に惚れるなんてありえないし、店長と悠なんか比べるまでもない。
そして、ギュっと強く抱きしめ返してきた店長は、「分かってる」と小さく呟いた。
「………そんなこと、疑ってねぇよ」
その言葉に、私目を見開いて店長にバレないように、フッと笑う。
抱かせたのかとか、何だとかって昨日散々言ってたのに…。
きっと、自分が酔っ払っていたときの記憶はないのかもしれない。
やっぱり、今日の店長はかわいい。
少し体を離して至近距離で店長を見つめた私は、少し顔をずらして自ら店長の唇を塞ぐ。
目を瞑って、どちらからともなく唇が開いて舌が割って入る。
少し落ち着いていたさっきの熱がいとも簡単に再燃して、私は中途半端にはだけたメイド服を自ら脱いでいった。